今日は下高井戸シネマで「カポーティ」を観てきた。
もう映画館では観られないかなと諦めていたので、観られて
うれしかった。
今年はもう、これほど胸打たれる映画を観ることはないだろうと
おもった。フィリップ・シーモア・ホフマンの演技がすばらしかったし、
物語もすごくわかりやすかった。このくらいディティールに気を配って
描かれてはじめて、観客はカポーティの孤独の片鱗を想像することが
できるのだろうなとおもった。カポーティとペリー、カポーティとネル、
そしてカポーティとジャックの関係が観ているほうにぱっと伝わって
くる印象的なシーンがいくつもあった。肝心な部分にかんしては、
全部ネルが口に出して言ってくれた。「思いやりがあるというのではなく、
センチメンタルな男」*1を演じたクリフトン・コリンズJrもとてもよかった。
マスカラが落ちるので泣くまいと思ったが、エンドロールでたまらずに
泣いてしまった(隣の方も泣いていた)。
そのあと代田橋ミスドに寄り、あとちょっとで読み終わる「グラン・ヴァカンス」
を読み終えてしまおうと思ったのだが、どうにも集中できないのですぐに出て、
泣きながらとぼとぼ家に帰った。

*1:小説「冷血」の中で、ペリーについてそう書かれていた